こんばんは。おかめです。
今年の夏はセミの声が例年より少ないな~
なんて心配していたのですが
今朝は元気いっぱいのセミの大合唱が聞こえました!
夏だわ~と思いながら、朝からお出かけの準備をして、昼前に家を出て
ランチから肉をお腹いっぱい食べて、そして観てきました!!
国 宝

2時間55分の大作。
吉沢亮さん演じる任侠の一門に生まれた喜久雄と、歌舞伎の名門に生まれた横浜流星さん演じる俊介がライバルとなり同士となり歌舞伎の世界で生きていく様が描かれている作品。
以下、ネタバレありの感想。
◆印象的だったシーン
とにもかくも吉沢亮の美しさ。
私はね、横浜流星君派だったんです。どっちかっていうと。
この国宝も、女形をさせるなら吉沢亮より横浜流星のが絶対華がある!!と思ってたんです。
実際どっちも美しく、見惚れる程妖艶ではあったのですが
役柄という事もあってか予想以上に吉沢亮の女形の美しさにただただ見惚れた。
それを踏まえたうえで、私が一番印象的だったシーンは
糖尿病で闘病生活を送る事になった半二郎の代役として喜久雄が曾根崎心中を演じる事になっての、半二郎の病室での練習風景。
厳しい稽古の中、「お前はお初になれていない」的な言葉を投げられた直後、喜久雄が自分の頬を力強く打ち、その後一気に喜久雄を纏う空気がかわる。
目が潤み、一気に好きな男と死れる喜びと恐怖を感じているお初が乗り移ったかのような表情・声・表現になる。
それまでも吉沢亮の演技に圧倒され続けたのだけど、このシーンで一気に吉沢亮の役者を見た気がして、すごく惹きこまれた。
俊介の印象的なシーンもやっぱり曾根崎心中でしょうか。
糖尿病で片足を切断し、もう片足もすでに危うく、その命の残りが目に見えるかのような状態のなか、息をするのも忘れるぐらいの鬼気迫る演技が舞台上で繰り広げられる。
歌舞伎のエリートで御曹司でありながら、一度は歌舞伎の世界から身を引くが、再び歌舞伎の世界に身を沈める。その覚悟が美しいぐらいに曾根崎心中で表現されていて、汗と涙でドロドロになった化粧ですら魅入る程に妖艶さを感じた。
どうしても役柄もそして実際の世間の感想も吉沢亮にもっていかれそうな感じですが、それも含めただイケメンなだけな横浜流星じゃないなって、めちゃくちゃかっこいい男じゃないかー!!(私はピンク髪横浜流星が好きだけどーっ!)と感じました。
◆全体的な感想
歌舞伎に関しては全く知識がないので楽しめるか不安だったけど
なんていうの……歌舞伎をすごいいい席で観させてもらったみたいな感覚。
毎回すごい舞台に立ち会わせてもらって、裏側まで見させてもらって……(感謝!)みたいな。笑
ただ、本当にどの舞台も美しくてね、ベタな感想ですがあのお二人がどれだけの練習を重ねたのかと……それすらも感じさせないぐらいに、元から二人その才能があるのでしょ?と思わせるぐらいに見事だった。
歌舞伎の良し悪しは分からないけどさ、舞台を終える度拍手を送りたい気分だった。
その才能が、血筋を凌駕する――
っていうワード、いいなぁと思うのです。
歌舞伎という血筋という後ろ盾が重要で物を言わす世界で、後ろ盾なく才能だけで上り詰める喜久雄。
名門の御曹司という血筋を背負いながらも、そこから身を引く俊介。
才能を買われ真綿が水を吸うように物事を習得していく喜久雄を名門の跡継ぎとしても、名門の長・半次郎が襲名舞台で吐血し倒れた時には、歌舞伎から身を引いた息子の俊介の名を呼ぶわけです。
才能を買い跡継ぎとして認めても、なお、血筋を求める俊介の父がいてね。
それを喜久雄はどんな思いであの場にいたのだろうと。
しかし血筋は時には残酷で、半次郎が亡くなる原因となった糖尿病を、息子の俊介も患い歌舞伎生命が絶たれるわけです。
圧倒的な才能や努力も、血筋の前では最終的には塵になるのかと
その怒りや悔しさや惨めさ虚しさ全てを背負っても、歌舞伎の世界で芸を続け、そして血筋を超えて国宝となる。
歌舞伎で生きていくため、もっと上手くなるため、女も手段とし、ただ歌舞伎だけを見続ける。
ぼんやりと春江(高畑充希)に「結婚しようや」と呟くところも
歌舞伎役者の娘である彰子(森七菜)を役欲しさの為に抱くところも
私には喜久雄が人間らしくあり、喜久雄らしさがあって、それらも喜久雄を作り上げていて好きな部分ではあった。
時に悪魔と取引をしながら、どこまでも歌舞伎に身を投じる喜久雄の人生は凄まじい。
『赤』が印象的だった。
作中、赤が何度も目に飛び込んできた。
舞台前のメイクで目元や口紅の紅。
舞台で衣装がサッと捲れ、白から赤にかわったり、最初の抗争でも雪の日に赤い血。
最後のシーンでも印象的だった。
血筋だから?とか思いつつも、その後の深い考察はせず。
いや~印象的だったな~綺麗だったな~
涙が出るとかではなかったけれど、約3時間があっという間!とも言えなかったけど
すごく眠い状態で観に行ったのに、眠気なんて忘れるぐらいに見入った作品だった。
歌舞伎と言うとどうしても海老蔵が浮かぶでしょー?
あんまりいいイメージないのよ。
でも、日本の芸能・歌舞伎がこの映画をきっかけにもっと世代を超えてまずは日本人の心に刺さればいいね。
日本の文化や伝統を継続していく事の重要さを考えるきっかけになればと思う。
余談の感想としては、時々、ミッドナイトスワンを思い出したりした。
草彅君主演のお話。
あれも血筋や血統という言葉ではないものの、どれだけ身体は男のまま心は女で母性をもって愛する者(イチカ)に接しても、本物の母親になれなかった悔しさや虚しさや怒りが湧きあがって沸騰しかけていた。
実の母がどれだけネグレクトで、代わりに愛も時間もお金も注いだとしても、実の母がこの名前を呼べば、まるで魔法が解けたように母を求めだす。
血とは。親子とは。みたいなものを国宝にも感じたし、その時にミッドナイトスワンが頭によぎったというお話でした。
そんな感じでしょうか。
いや~美しかったな~。
私の周囲ではさ「イケメンの3時間はあっという間!」っていう感想が飛び交ってたのだけど、イケメンとかそんな次元じゃないよね。
美しい。芸術。
この余韻を抱えたまま、吉沢亮が18歳少年の童貞を守るバンパイア役を演じるババンババンバンバンパイア観に行こうと思います✧
皆様も、国宝、ぜひ!!
おわり