おかめです。
今回は、私の大好きなドラマ
きのう何食べた?
の感想をお届け。

よしながふみさんの漫画が原作の実写化ドラマ。

西島さん演じる弁護士のシロさんと、内野さん演じる美容師のケンジの日常物語。
シロさんの日課である定時に仕事を終え、安売りスーパーで買い物をし
月の食費を2万5千円に抑えながら毎晩の献立を考え作り、恋人であるケンジと食卓を囲む。
シロさんの毎日の献立はもちろん、ゲイバレをどう向き合い乗り換えるかといった同性愛の悩みや障害を、ライトに伝えてくれる。
シーズン1・シーズン2・スペシャルドラマ・劇場版とシリーズ化されてる人気作。
私ね、このドラマがリアルタイムでしてた時は興味をもてなくて見なかったのですが
何かのきっかけでふとシーズン1を見て感動したの。
料理って愛だよなぁとしみじみ考えさせられたというか。
私は料理をする人なので、毎日の献立にはうんざりなのですが
それでも我が子や恋人が美味しそうに食べてくれてるのを見るとすごく幸せになる。
食べる人の健康や好みを考えたり、旬を取り入れてみたりしながら献立を考え作る事も愛で、食卓に並んだ食事達も、その時間も限りなく愛に溢れているなぁと思わせられるのよね。
このドラマでは、弁護士であるシロさん、美容師であるケンジの性格が真逆であることがとっても面白く考えさせられる。
シロさんは理性的で、物事を論理だてて要領よくこなしていく。
なるべく感情を表に出さず、ケンジとのトラブルも冷静に対応していく。
一方ケンジは感情的で、「わぁ♡」「やったぁ♡」「嬉しい♡」といった感情がストレートに表現される。
素直に不満や気になった事を伝えるけれど、そこにはいつもシロさんへの思いやりを感じさせる。
この二人のどっちがどう素晴らしいとかでなく、ただただケンジを想い料理をするシロさんと、それをしっかりと感じながら素直に喜びを伝えるケンジという関係性に胸が打たれるのです。
ゲイということ
シロさんもケンジも男性なので、いわゆる同性愛なのですが
ケンジはとてもオープン。一方シロさんは世間体を気にしてカミングアウトは慎重。
いつでもシロさんとオープンに関わっていたいケンジに対し、職業的にも世間体的にも自身がゲイである事を隠していたいシロさん。
それ故に募るモヤモヤや、心のつっかえや寂しさや不満が現れる。
時にゲイカップル仲間と知り合い、交流し、ゆっくりと二人の関係性を親や周囲についた得たり、お出かけをしたりするようになっていく。
親へのカミングアウトに関しては、親も姉も戸惑う事なく受け入れ、シロさんと会えることを楽しみにするケンジサイドに対し
一度は家に招いたものの、どうしても息子がゲイである事を受け入れられずケンジを拒絶するシロさんの家族という正反対の対応。
拒絶されたことを「仕方がないよ」と笑って見せるケンジに、シロさんは自分の意志をはっきりと親に伝え「一番大切な人と一緒にいたい」とケンジに伝える。
きのう何食べた?はもう何度も何度もリピートして見ていて
その都度、全体の話を通して思うのが、ケンジの愛情の深さというか
愛の人だなぁと感じさせられるのです。
もちろんシロさんも愛の人なのだけど、やっぱりどこか世間体やプライドや見栄とかを優先しがちで、その部分でケンジを傷つける事も多々あるわけ。
それに対してケンジは悲しみはしても、笑って「仕方ないよ」ってシロさんの考えや言動を受け入れるんよね。
ケンジはそれを「自分が傷つきたくないから。シロさんに嫌われたくないから」とは言うものの、それでも時にケンジの存在を打ち消すかのような、深く傷つけるかのようなシロさんの考えを、ケンジは頭ごなしに否定したり悲観するのでなく、受け入れて自分なりにかみ砕こうとするところが、ケンジの深い深いシロさんへの愛情に思える。
そんなケンジの存在に、シロさんも変化をしていく様子が、やっぱり愛なのです。
ゲイカップル仲間の存在
作中、何度も出てくるゲイカップル仲間の山本耕史さん演じる小日向さんと、磯村君演じるジルベールことワタル君。
この二人の存在がめちゃくちゃいい。
もともとワタル君が学生時代の家庭教師だった小日向さん。
若いワタル君に思いを告げられ、断った事でワタル君は行きずりの恋に身を任せようとし、それを小日向さんが必死で止めたことでカップルとなったらしい。
超絶ワガママなワタル君に対し、いつも大きな心でワタル君を包み込む小日向さん。
ワタル君が家出をした時に、小日向さんに「どーんと構えてたらいいんですよ」とアドバイスするシロさんに、いついなくなってしまうか分からない存在なのに!!!と必死の形相で訴える小日向さん。
この二人はこの二人でシロさんとケンちゃんとは違った二人のバランスがあって、それは絶妙で、とっても愛おしい。
穏やかなシロさんとケンちゃんの関係性に比べると、いつも激しくドラマチックな二人ですが、それが時にシロさんとケンちゃんの関係性に風を吹かせる。
私がこのドラマで一番好きな部分は
シロさんが作った食事や、一緒に食べる食事を目にした時に、ケンジが決まって
「わぁ!!!」とテンションをあげて嬉しそうにするところ。
毎日献立を頑張って考えて料理をする身からすると、その一言が、その表情が何よりうれしい。
そして食べるごとに「この◎◎だしがきいてて美味しい!!」「シロさんの作る◎◎だぁいすき!!」と、口元を緩めながら目をキラキラさせながら箸を進めるところが、たまらなく愛おしい。
そしてそんなケンジを見守るシロさんの優しく嬉しそうな表情も、愛おしい。
料理は愛だなぁと感じる。
そんな二人を見ていると、無性に誰かに食事を作りたくなるし
一緒にお家で食卓を囲みたくなる。
たまには、手の込んだ料理もしてみたくもなるし、好きな食べ物を作ってみたくなる。
誰かと生きるという事はいいことだなぁと思わせてくれる、そんなドラマ。
これからも定期的に見返したい、そんなドラマです。
おわり