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【感想】カラフル ― 森絵都

お疲れ様です。
おかめです。

今回のブログは読書感想。
文集文庫から 小説・カラフル 森絵都 です。

 

 

生前の罪により輪廻のサイクルからはずされたぼくの魂が天使業界の抽選に当たり、再挑戦のチャンスを得た。
自殺を図った少年、真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければいけないのだ。
真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点がみえてくるようになる……。


というあらすじの名作らしいです。
あまりにも黄色の表紙とカラフルという小説名の差に惹かれて購入。
以下、ネタバレもあるかもしれない感想。


とても読みやすくて、暇を見つけては読んでも二日で読み終える程度のボリューム。
主人公が中学生・輪廻・天使といった世界観が、全体的にいわゆる中二病な感じを受けるし、物語の主人公ももれなく思春期らしさ、ちょっとした痛い中二病感があって、これぐらいの年頃ならば親近感をもって読めるだろうなぁという感想。

物事や人との関わりは一つの方向だけでは、勘違いや思い込みのケースも多いが
それらを多方面から見る事で、新たな発見や見落としていた事、新事実があったりする。
見方が変わると一色にしか見えなかった世界が、突然カラフルに見える
という解釈で読み終えました。

オチに気づくまでは、体の持ち主・真の人生に対する主人公・僕の適応の速さにもやもやを抱えながら読んでいた。
なんだかんだで真ライフを楽しんでいるというか、真剣に生きているところに、主人公の意思は反映されているの?!というモヤっと感。
あまりに馴染みすぎている事に、気持ち悪さを感じつつ読み進めた。
主人公・ぼくが、真の家族や学校での人間関係と向き合うたび、生前、真が記憶していた感じではないと違和を抱き、その違和が解かれていく。
終盤にかけて、主人公・ぼくや周囲の人々の感情が大きく訴えられ
個人的にはそのスピード感が良く、ラストは最後の文までよかった。
涙を流すほどの感動はなかったけれど、いいラストだったと思った。
これ以上その先を知りたいとも、誰がどうなった?とかも思わせる事がない、キリのいい終わり方だな~と感じたかな。

程よく、主人公・ぼくが生きる中学生ぐらいの年頃の悩み(性やパパ活やいじめや恋愛や進路、家族)等が描かれていて
なおかつ、それらに対するその年頃が抱く嫌悪感や劣等感の心情が分かりやすく描写されていて
またそこに対する主人公・ぼくの、年頃ならではの受け止め方も分かりやすい。
これが、大人が年齢が変わっていたらきっとこうはならなかっただろうなと。


リアルタイム……ではないのですが、私も最近ね、輪廻転生のお話を受けたのですよ。
お客様がおすすめしてくれた占い師さんからね。
死んだら、その魂はいわゆる地獄とか天国とかにいくけれど
それは魂のレベルによって定められている。
魂レベルが低い人間は、次の人生でカルマを背負い、それらを徳を積むことで魂レベルをあげていく。
みたいな。
私の前世は、武将とかそんな時代の権力ある武士だったらしいのだけど
なんかやらかしちゃって、そのカルマを今私が背負ってるってわけなのよ。
なんて話を聞いて、ふと大好きな神漫画……いや地獄漫画のある言葉を思い出したの。

地獄に落ちるまで1000年以上はかかる。
織田信長ですらまだ地獄に到達していない。

みたいな。
私の前世は、本来なら地獄に向かってる最中のはずじゃないですか。
武将とかなので。
輪廻って、地獄に到達する前に、そこの地獄はちょっと辛いから次の人生で徳積むからちょっと待って!ってことなの?
もし私がキリスト教を信仰しているとしたら、この占い師さんの話ってどうなるんだろう……
というか、世の中こんなに広いのに前世も日本なんだ……ずっと日本なんだ……
純日本人なんだぁ
なんて事を想いましたとさ。


おわり