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【感想】みんな蛍を殺したかった 木爾 チレン

こんばんは。
おかめです。
今回は、小説 二見文庫から みんな蛍を殺したかった 木爾チレン

 


京都の底辺高校と呼ばれる女子校に通うオタク女子三人、校内でもスクールカースト底辺の扱いを受けていた。
そんなある日、東京から息を吞むほど美しい少女・蛍が転校してきた。
生物部とは名ばかりのオタク部に三人は集まり、それぞれの趣味に没頭していると、蛍が現れて入部を希望し「私もね、オタクなの」と告白する。
次第に友人として絆を深める四人だったが、ある日、蛍が線路に飛び込んで死んでしまう。
真相がわからぬまま、やがて年月が経ち、蛍がのこした悲劇の歪みに絡めとられていく――


っていうあらすじです。
まず、なぜ私がこの小説を読もうかと思ったのかと言いますと
以前、チレンさんの小説で『神に愛されていた』を読んだことがあるんです。

 


これがね、私はすごく面白くてもう一度読みたいなー!と思ったんですね。
なので、そんな期待をこめて手にした『みんな蛍を殺したかった』です。

感想としては、救いようがなさすぎて笑ってしまう。に尽きる。
ラストまでの過程に関しては何も共感もできないし、感情移入もできなかったし
蛍が死ぬ部分なんて雑というか、「その設定さすがに甘くない?」って感じでしたし。

なんというか、オタクに対する偏見が強すぎてそこがまず共感できない。
ただただ、その偏見に不快感が募る一方。
生物部のオタク3人にそれぞれ近づく蛍も、まぁすごい暇人というか。
確かに平和で穏やかな家庭では育ってないにせよ、そんなにオタクに対し労力や時間を使える事が私には理解ができなかった。
カウンセリングコースだよなぁ。とか思いつつ読んでいた。
3人のオタク達の方がよっぽど精神は正常なのよね~。

どんな話?って聞かれたら
ひたすら蛍のオタク嫌いに振り回されて、隙を見せたばかりに人生崩壊させられた女子高生達のお話。
って説明しちゃう。

舞台は女子高生だけど、読むのは大人がいいかもしれないね。
これは小説であり、感情が移入されないからこそ読み物として終えれる事が大切で
ここに同年代の子達が答えや、共感や感情移入をもつとよろしくないなって思ったかな。
外見至上主義は正義でもないし、オタクは悪い者でもキモイものでもない。
それこそ、前回の『感想』で書いた『カラフル』のように
多方面から見る事で、見解や世界は広がるのだけど
自分だけの世界に閉じこもり、欲を満たす事だけに執着するということは
世間知らずであればある程、脆く、危険と隣り合わせであると思うのね。
蛍の周りには、運よく蛍を責めたり、利用しようとする大人がいなかった。
その運の良さが、結果的には悪運だと私は感じるのだけど
最終的には蛍は何も負わなかった。
負ったことになんかなっていない。そう思うぐらい後味が悪い内容だった。


神に愛されていたがテンポよくて、伏線回収も「なるほどー!!!」と思えて、女の狂気に魅せられて『神に愛されていた』のタイトルすら「なるほどぉぉぉ!!!」となった小説だっただけに
みんな蛍を殺したかったは、個人的にはハマらなかったなぁ。
蛍や生物部3人のうち誰かの学生生活に近い経験をした事があるならば
もしかして理解もできたのかもしれないけれど、私は学生生活が全く違っていたからなぁ。
オタクの子達は多い環境ではあったけれど、みーんな一緒に遊んでたもん。
蛍の背景をしっても尚、なぜそこまで生物部の3人を追い詰める必要があったのが、オタクに執念深く恨みを持ち続けるのかは、共感できなかったかな。
でも、まー関わりたくないね!!蛍とは。
そう思われてしまう蛍は、ずっと孤独を感じていたのかもしれないけれど。
人を説得したり、うまく言いくるめる頭の回転の良さと話術があるから
普通に生きてても成功してそうだけどね!
蛍の目的はそうではなかったってことなんですものね~。
まぁ……蛍の人生、私にはどうでもいいけどねー。



おわり